ホテルのインテリア

クリスチャン・ラクロワは、2004年に特急列車「TGV」の内装を担当しましたが、以前から彼のインテリアセンスには定評がありました。

服飾史だけでなく建築物や内装など、総合的に美術史を学んだだけに、ファッションだけでなくインテリアデザインの分野でも活躍できるのでしょう。

彼は2007年に、パリにあるホテル「オテル・ベルシャス」のインテリアをプロデュース。

私たちが想像する「シックなパリ」のイメージの中に垢抜けた空間があり、ラクロワの豊かな色彩センスと抜群のバランス感覚が、リラックスした雰囲気を演出します。

ラクロワはあくまで「南国の人」であり、彼の創り出すものには必ず南国の要素が混ざっています。

その要素が暑苦しくなく、「ホテル」という体を休める場所で、最適な効果を出しています。

もう1軒、2010年に、同じくパリにある「ホテル・ノートルダム」の内装も手掛けました。

100年前に建てられたビルを改装してできたこのホテルにも、随所にラクロワのエスプリが散りばめられています。

暖色系で落ち着いた内装の部屋から、壁に中世アートやグラフィックのコラージュが施されたユニークな部屋など、どちらも比較的リーズナブルに宿泊できるので、日本人観光客にもお勧めです。

パリには意外にお洒落なホテルがない、とも言われていますが、ラクロワによって今後、素敵なホテルが増えるかも知れません。

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