ラクロワ売却へ

2005年、LVMHはクリスチャン・ラクロワの売却を発表しました。

売却先は、免税店展開をする米国企業「ファリック・ファッション・グループ(FFG)」です。

LVMHのCEO、ベルナール・アルノーはこの売却について、「クリスチャン・ラクロワには大きな可能性を見出していたが、伝統のないオートクチュール企業を一から育てるのは非常に難しかった」と話しています。

オートクチュール産業は、全体的に衰退傾向にありました。

オートクチュールを手がけるメゾンとして、シャネル、クリスチャン・ディオール、ジバンシィなどが挙げられますが、いずれのメゾンも50年以上の歴史を誇ります。

オートクチュール全盛期を築き上げた実績のあるメゾンばかりです。

その中で、最も新しいクチュリエのクリスチャン・ラクロワは、プレタポルテ全盛期の中で唯一脚光を浴びたクチュリエでそれ故、ロールモデルになる他ブランドの存在もなく、方向性が完全にわからなくなったのだと思います。

そしてLVMH傘下でのラクロワは失敗し、FFGで新たな船出を迎えましたが、そこでも結局利益を上げることはできませんでした。

LVMHからFFGへの売却から4年経ったメゾン「クリスチャン・ラクロワ」は、もはやオートクチュール産業を主力にした展開を諦め、ラクロワ自身が「クリスチャン・ラクロワ」を去ることを検討し始めます。

2009年、オートクチュール「クリスチャン・ラクロワ」はついに終わりを迎えます。

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