サシャ・ワルコフ(Sacha Walkhoff)
オートクチュールメゾン「クリスチャン・ラクロワ」が再スタートを切った2009年末、新しい「クリスチャン・ラクロワ」のクリエイティブ・ディレクターになったのは、スイス人デザイナー、サシャ・ワルコフです。
1962年生まれで、幼い頃の大半をスイスで過ごしました。
ラクロワは南仏で育ち、故郷の伝統から影響を受けたスタイリングをしていましたが、ワルコフはラクロワの幼少期とは全く異なった環境で幼い時間を過ごしていたのです。
バルセロナのファッション関連の学校を卒業した後、幾つかのプレタポルテ・メゾンで働き、1992年にラクロワと出会います。
それ以来、ラクロワ自身がメゾンを離れるまでの17年間、ワルコフはラクロワの右腕として仕事をしてきました。
つまり、ラクロワの仕事ぶりを、誰よりも間近で見続けていたのです。
そんな彼が、ラクロワの次なるクリエイティブ・ディレクターに指名されるのは、ごく自然な成り行きであったのかもしれません。
ワルコフは、ラクロワから「オープンマインドになること」を学んだといいます。
そして現在、「クリスチャン・ラクロワ」という一流メゾンの再建に向けて奮闘しています。
2009年の破産でクチュールラインが途絶えていて、現在はレディース及びメンズのプレタポルテが主流のメゾン・ド・ラクロワですが、ワルコフは将来必ずオートクチュールラインを再開させたいと希望を覗かせています。