ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)

メゾン「クリスチャン・ラクロワ」設立を実現した人物、ベルナール・アルノー。

彼は現在、フランス一の大富豪です。

建設会社を経営する父の元で生まれ育ち、名門「エコール・ポリテクニーク」を卒業します。

1980年代になるとニューヨークに渡り、不動産業などの修行をしました。

生まれ育った環境によって彼のビジネスセンスは磨かれ、その才能はフランスに帰国後、ファッション産業を中心として花開いていきます。

建設と不動産業に従事した経験を持つアルノーにとって、ファッション産業は全く畑違いのものに見えます。

しかし、元からフランスの伝統や芸術に非常に造詣が深く、名画コレクションを趣味にしているというだけあって、フランスの伝統産業であるファッションにも大きな理解があったのだと思います。

ファッションをビジネスと割り切り、次々にメゾンを買収していったアルノーですが、クリスチャン・ラクロワだけは別格の扱いでした。

「ジャン・パトゥ」で成功した以外に目立った実績がなかった若き日のラクロワに、自身のクチュールメゾン創設のチャンスを与えたのは、ビジネスとしてラクロワの創作物を見ていた以上に、ラクロワの感性にほれ込んだことが大きかったのではないかと思います。

ビジネスの世界ではアルノーのことを「冷酷な男」と見なす人も多いのですが、ラクロワの抜擢に、アルノーの感受性豊かな素顔が見られる気がします。

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