アルルでの幼少時代
クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix, 1951年5月16日生)が生まれたのは、南仏プロヴァンス地方にある「アルル」という都市です。
「プロヴァンス」と聞くと、私たち日本人にはリゾート地というイメージがありますが、確かに地中海性気候の温かくて穏やかな場所で、暮らすには最適です。
アルルは、プロファンスの中でも比較的「田舎」という位置づけになっていますが、ここは古代ローマ時代にはローマ帝国の重要都市としての役割を担った大都市でした。
アルルの「ローマ遺跡」と「ロマネスク様式建築物群」は世界遺産に登録されていて、町全体が古代・中世の雰囲気そのままを残しています。
世界遺産の一部である「円形闘技場」では、現在も闘牛が行われていて、ラクロワは幼い頃から闘牛の大ファンでした。
古代ローマ文化、そして隣国スペインの文化などが融合したアルルという町は、ラクロワの感性に大きな影響を与えてきました。
アルルにあるものの全てが彼を魅了し、アルルの人々やジプシーの生活は彼の想像性にエネルギーを与え、後にクチュリエとして数々のデザインを手がけるようになってからは、それらがインスピレーションの源となりました。
アルル時代のラクロワは、色鉛筆をいつも持ち歩き、スケッチに没頭していたといいます。
そして、高校を卒業するまでの大半を、彼はここで過ごすことになりました。